「人手不足を解消したいが、コストは抑えたい」 「外国人を採用する場合、時給はいくらに設定すれば良いのか?」
そのように考え、インターネットで「外国人 最低賃金」と検索されている経営者様や人事担当者様も多いのではないでしょうか。 かつては「外国人=安価な労働力」というイメージがあったかもしれません。しかし、2025年現在、その常識は大きく変わりつつあります。
本記事では、厚生労働省の最新データや各国の経済状況を交え、外国人採用における「お金」のリアルと、失敗しないための給与設定について解説します。
外国人採用でも「最低賃金」は絶対ルール
まず、基本中の基本として押さえておくべきなのが、日本の労働法制です。 日本国内で雇用契約を結ぶ以上、国籍に関係なく日本人と同じ労働基準法、最低賃金法が適用されます。
「日本語が未熟だから」「教育に手間がかかるから」といった理由で、都道府県ごとの最低賃金を下回る設定にすることは違法です。仮にそのような契約を結んだとしても、法律上は無効となり、最低賃金額で契約したとみなされます。
当然、日本人従業員と同じ業務を行っているにもかかわらず、外国人であることを理由に不合理に低い賃金を設定することも禁止されています(同一労働同一賃金の原則)。
データで見る「外国人労働者の給料相場」
では、実際の現場ではどの程度の給与が支払われているのでしょうか。 厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」などのデータをもとに、実態を見てみましょう。
全体の平均年収で見ると、外国人労働者は約338万円となっており、日本人平均(約489万円)と比較すると約3割低い水準です。しかし、これを「在留資格別」に分解すると、採用すべき人材像とコスト感が見えてきます。
【在留資格別の平均賃金(月額)】
- 専門的・技術的分野(「技術・人文知識・国際業務」など):約29万6,700円
- 身分に基づくもの(永住者など):約26万4,800円
- 特定技能:約19万8,000円
- 技能実習:約18万1,700円
在留資格別の平均賃金(月額)
※各区分の平均月額給与(円)
このように、現場作業が中心となる「技能実習」や「特定技能」は比較的低い水準ですが、高度な知識やスキルを持つ「専門的・技術的分野」の人材は、月額約30万円近い給与水準となっており、日本人と変わらない、あるいはそれ以上の待遇で働いています。
つまり、「とにかく安く」を求めると技能実習生のような選択肢になりますが、即戦力や将来のリーダー候補を求めるのであれば、それ相応の「日本人と同等」の対価が必要になるということです。
「日本で働く=稼げる」はいつまで続くか?
「そうは言っても、彼らの母国に比べれば日本の給料は高いはずだ」 そう思われるかもしれません。確かに、母国との賃金格差は依然として存在します。
出身国別の平均年収と日本との格差
- ベトナム:平均年収 約48万円(日本の約9.2倍の差)
- インドネシア:平均年収 約31万円(日本の約11.6倍の差)
- フィリピン:平均年収 約31万円
現時点では、日本で働くことには大きな経済的メリットがあります。しかし、ここにあぐらをかくのは危険です。 ベトナムでは最低賃金が引き上げられるなど経済成長が著しく、現地の給与水準は年々上がっています。
一方で、日本の平均賃金は世界的に見ても伸び悩んでいます。 世界の平均月給ランキング(参考データ)では、スイス(約121万円)、アメリカ(約96万円)が上位を占める中、日本は約37万円で29位。お隣の韓国(20位、約41万円)にも抜かれています。
優秀な外国人材にとって、日本は「唯一の出稼ぎ先」ではなくなりつつあります。「最低賃金ギリギリ」の条件では、もはや日本が選ばれにくくなっているという現実を直視する必要があります。
選ばれるための給与設定と採用戦略
こうした環境下で優秀な人材を採用・定着させるためには、以下のポイントを意識した給与設定が必要です。
- 月収での提示:多くの外国人は年収よりも「毎月の手取り」を重視します。
- 相場より少し高め:同業他社の相場や最低賃金「プラスアルファ」の設定が目を引きます。
- 福利厚生(寮)の整備:初期費用がかからない住居の提供は、給与額以上に強力なアピール材料になります。
しかし、「給与を上げれば良い」と分かっていても、採用コスト、ビザ申請の手間、住居の手配、そして入社後の生活サポート……これら全てを自社で行うと、人件費以外の「見えないコスト」が膨れ上がってしまいます。
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まとめ
外国人採用において、「最低賃金で安く雇う」という発想は、法的リスクだけでなく、採用競争力の低下や早期離職を招く原因となります。 世界的な賃金競争の中で日本が選ばれ続けるためには、法律遵守はもちろん、外国人材を「コスト」ではなく「投資すべき戦力」として捉える視点が必要です。
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